大分県に台風が近づくと、「窓ガラスに養生テープを貼ったほうがいい?」「米の字に貼れば割れにくくなる?」と迷う方もいるでしょう。
養生テープだけで、飛来物による窓ガラスの破損やガラス片の飛散を防げるとは限りません。
雨戸やシャッターがあれば、風が強くなる前に閉めてロックすることが優先です。雨戸などがない場合は、養生テープだけに頼らず、段ボールやカーテンを組み合わせる応急対策、飛散防止フィルムや防災フィルムなどを目的に応じて検討します。
HARU工房いちまるが、養生テープでできることと限界、フィルムを選ぶときの注意点を解説します。

この記事のポイント
- 養生テープは窓ガラスの強度を保証するものではない
- テープだけではガラス片の飛散を防ぎきれない場合がある
- 雨戸・シャッターがあれば早めに閉めてロックする
- 飛散防止フィルムと防災フィルムでは確認されている性能が異なる
- 台風が接近してからではなく、風が強まる前に準備する
台風で窓ガラスが割れる原因
台風時の窓ガラスは、強い風圧や、風で飛ばされた物の衝突によって破損することがあります。
気象庁の「風の強さと吹き方」では、平均風速20m/s以上になると、看板の落下や屋根瓦・屋根葺材の飛散などが起こる場合があると説明されています。
植木鉢、物干しざお、ベランダ用品なども、強風で飛ばされると周囲の窓を破損させる原因になります。台風が近づく前に、屋外にある飛ばされやすい物を室内へ移動するか、動かないように固定することが大切です。
風が強くなってから外へ出ない
雨戸を閉める作業や屋外の片付けは、台風が接近して風雨が強くなる前に行ってください。すでに暴風になっている場合は、窓から離れ、無理に屋外へ出ないことが重要です。
養生テープを貼る意味はない?
「まったく意味がない」とも、「貼れば十分」とも一律には言えません。
テープメーカーのダイヤテックスは、自社の台風防災テープを使った試験で、テープを貼ったガラスのほうが、貼らないガラスより破片が小さく、量も少なかったと説明しています。
ただし、この結果は使用したテープ・ガラス・試験方法によるものです。一般的な養生テープを米の字に貼れば、あらゆる飛来物や風圧に対応できるという意味ではありません。
YKK APが屋根瓦の破片に相当する木材を窓へ衝突させた検証では、養生テープだけではガラス片の飛散を避けにくく、段ボールを重ねてテープで固定することで飛散が低減したとされています。
簡易対策として考えられること
- ガラス片の飛散を少しでも抑えるために使う
- 段ボールなどの養生材を固定するために使う
- 台風通過後に安全を確認して剥がす
できないこと・注意点
- 窓ガラスが割れないことを保証できない
- 飛来物の貫通を防げるとは限らない
- ガラス片の飛散を完全には防げない
- 貼ったまま放置すると糊が残る場合がある
台風接近前に確認したい窓の対策
1.雨戸やシャッターを閉める
雨戸やシャッターがある場合は、風が強くなる前に最後まで閉めてロックします。飛来物から窓を守るためには、窓ガラスをむき出しにしないことが重要です。
雨戸やシャッターが古い場合や、動きにくい場合は、台風接近時に初めて動かすのではなく、普段から開閉とロックの状態を確認しておきましょう。
2.屋外の物を片付ける
植木鉢、物干しざお、ハンガー、掃除道具、ベランダ用品など、風で飛ぶ可能性がある物を片付けます。自宅の窓だけでなく、近隣住宅への被害を防ぐためにも必要な対策です。
3.窓と網戸をロックする
窓を閉め、クレセント錠などを確実にかけます。網戸に外れ止めがある場合は、正しく設定されているか確認してください。
4.窓の近くから離れる
台風の接近中はカーテンを閉め、窓の近くで過ごさないようにします。ただし、YKK APの検証では、カーテンを閉めるだけでは効果を確認できなかったとされています。
カーテンだけを過信せず、可能であれば窓のない部屋や、窓から離れた場所で過ごしてください。
飛散防止フィルムでできること

飛散防止フィルムは、ガラスが割れたときに破片をフィルムへ保持し、室内や屋外へ飛び散る量を抑えるためのフィルムです。
テープのように一部分だけではなく、原則としてガラス面全体へ施工します。ただし、飛散防止フィルムを貼ったからといって、窓ガラスが割れなくなるわけではありません。
飛散防止と飛来物対策は同じではありません
一般的な飛散防止フィルムは、割れたガラス片の飛散を抑えることが主な目的です。飛来物の衝突や貫通への性能は、製品名だけで判断せず、試験規格や施工するガラスの条件を確認する必要があります。
防災フィルム・防犯フィルムとの違い
防災フィルム
日本ウインドウ・フィルム工業会が案内する防災フィルムは、JIS R 3109に基づく飛来物衝突試験と繰り返し圧力載荷試験に合格した製品、または同工業会の定める基準に適合した製品です。
想定する飛来物によって区分があり、小石相当の加撃体Aと、瓦の破片相当の加撃体Cがあります。製品だけでなく、ガラスの種類・厚さや施工仕様などの条件を確認する必要があります。
防犯フィルム
防犯フィルムは、主にガラス破りによる侵入に時間をかけさせるためのフィルムです。台風時の飛来物対策を主な目的とした規格ではありません。
防犯フィルムの中には防災フィルムの対象製品にも掲載されているものがありますが、「防犯フィルムならすべて飛来物対策になる」とは判断できません。製品ごとの試験結果と施工条件を確認します。
フィルムで保証できないこと
- 窓ガラスが絶対に割れないこと
- あらゆる飛来物の貫通を防ぐこと
- ガラス片が一切飛散しないこと
- 台風による住宅被害を完全に防ぐこと
窓ガラスフィルム施工前の確認事項
窓ガラスフィルムは、どの窓にも同じように施工できるわけではありません。
- ガラスの種類と厚さ
- 単板・複層・Low-Eなどのガラス構成
- 網入りガラスや型板ガラスかどうか
- 窓の大きさと方角
- 日当たりや周囲の影の状況
- 希望する対策が飛散防止か、飛来物対策か
ガラスの種類や日射条件によっては、熱割れリスクの検討も必要です。窓全体の写真は事前確認の参考になりますが、写真だけで施工可否や対応製品を確定できない場合があります。
よくある質問
Q. 養生テープを米の字に貼れば窓は割れませんか?
A. 窓ガラスが割れないことを保証する対策ではありません。養生テープだけでは、飛来物の衝突やガラス片の飛散を防ぎきれない場合があります。
Q. 飛散防止フィルムなら台風の飛来物も防げますか?
A. 一般的な飛散防止フィルムは、割れたガラス片の飛散を抑えることが主な目的です。飛来物の衝突や貫通への性能を重視する場合は、防災フィルムなど、該当する試験に適合した製品と施工条件の確認が必要です。
Q. 台風が来る直前でもフィルムを施工できますか?
A. 施工日程、ガラスの状態、天候などによって異なります。台風接近中の緊急施工を前提にせず、平常時にガラスの種類と希望する対策を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
台風時に窓へ養生テープを貼る方法は、緊急時の簡易対策の一つです。ただし、テープだけで窓ガラスの破損やガラス片の飛散を防げるとは限りません。
雨戸やシャッターがある場合は早めに閉め、屋外の物を片付け、窓と網戸をロックします。雨戸などがない場合も、養生テープだけに頼らず、窓から離れて過ごすことを含めた安全対策が必要です。
平常時の窓対策としてフィルムを検討する場合は、飛散防止・防災・防犯の目的を分け、ガラスに適合する製品を選びましょう。
平常時の確認や相談だけでも大丈夫です。
窓のお悩みや希望する対策をお聞きし、写真で分かる範囲の施工方法や確認事項をご案内します。
窓全体が写った写真を1〜2枚LINEで送っていただければ、現地確認前の参考になります。
写真だけではガラスの種類や施工可否、飛来物対策に対応する製品を確定できない場合があります。正式な判断やお見積もりには、現地確認が必要になることがあります。
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